こんにちは。
~色で人生をより豊かにする~パーソナルカラースタイリストの武田みはるです。

今、梅田阪急百貨店で「素晴らしき時代マーケット展」が開催されています。
素晴らしいコスチュームジュエリーやヴィンテージファッションが並ぶ中、
今夏に対談させていただいた渡辺マリ先生ミリアム・ハスケルコレクションも出展されています。
(素晴らしき時代マーケット展は11月23日まで)

ミリアム・ハスケル
ミリアム・ハスケル ブローチ 1930~40年代作品 

ミリアム・ハスケル 
ミリアム・ハスケルAライン(フォーマルライン)1950年代作品

先日の対談内容が(一社)日本コスチュームジュエリー協会のHPで連載され、
最終回には「日本の濁色の文化」について語りました。

今、まさに濁りの色ブームです!!

店頭にはスモーキーカラーが全盛です。
日本人は、微妙な濁りの色彩を見分ける目を持っていると
私はかねてから思っております。
江戸時代の四十八茶百鼠など・・・
四十八茶百鼠

海老茶、利寛茶、銀鼠、深川鼠等・・・ほんの少し赤みや青みなど
微妙な濁色の違いを楽しむ粋な文化が芽生えたのです。

そんな日本人の濁りの文化についてお話しています

Vol.2 第7回

「濁り」の色彩文化とミリアム・ハスケル
武田
個人的に日本の伝統色が大好きで、
源氏物語とかもすごく好きで。

日本人ていうのは、中間色、グレーが沢山混じる色、
いわゆる濁りのある色を微妙に見分ける
DNAを持っていると思っています。
この濁色を、ハスケルも使っていますか?


マリ先生
使っています。


武田
何となくの印象ですが、
アクセサリーは、深めの色か・・・。


マリ先生
すっごくビビッドな色か、
そういうふうに使い分けているのは、普通のデザイナー。

ハスケルは、デザイナーのフランク・ヘスもそうですが、
たぶん、二人とも、ユダヤ系。

ユダヤ人と日本人が、
色彩感覚とハンドテクニックが一番優れている人種
と言われているんです。


なので、同じ感覚を持っているんだと思います。
濁色のもの、結構沢山作っています。
ただ、写真で見ると、それが微妙に分からない。
印刷では出にくいんです。


武田
くすみのあるものも、結構あるということですね。


マリ先生
あります。そういうものから売れます。
私自身、そういう系統のものが好きだから、
買い付けるんです。で、そういうのから、無くなるんです。


武田
江戸時代に話が飛びますが、
平安時代からの重ねの色目などの日本の素晴らしい色彩文化が、
いったん、江戸時代で縮小してしまいますよね。

吉宗の時代、奢侈禁止令により、
町民は茶と藍しか着てはいけないと。
でも、そのときに、日本人は、くさってしまうのではなくて、
茶なら海老茶など赤味のある茶にしてみたり・・・。


マリ先生
そう、だから3百色も日本の伝統色があったり、
あと、羽織の裏に真っ赤な鯉を染め付けたり。


武田
禁止されているけれど、その制限の中で楽しむ
ということが出来るんですよね。
それって、素晴らしいこと。
グレーでも、微妙に緑っぽいグレーとかありますよね。
江戸後期になってくると、歌舞伎の役者の名前を付けて、
それを、役者を後援する人の色にしたりとか。
今の「推しカラー」のような。
そういう微妙な明度・彩度の違いを見分ける目って、
日本人にはあって・・・。



マリ先生
今、そういうのがどんどん廃れてきてるんです。
だから、私は、生徒に「日本の伝統色」の購入を勧めてます。
私は、1年中、あれを見てるんです。
ああいうのを見て、色彩感覚を身につけないと、
色の良さが分からないですよ。

ダークな色のほうがいいっていうのは、
昔から日本人が持っている美意識がそうさせるのであって。

例えば、ガラスでも、昔は今みたいにクリスタルで
透明度の高いものはなかったんですよ。
だから、ガラスに色を入れると濁ったんです。
その濁りがよくって、
ビーズにされてきた時代っていうのが結構長かった。

ちょっと年齢が上の人たちって、そういう色が馴染むんです。
日本の伝統色の感覚とすごく近いものがあります。

今は技術が発達したおかげで、
どんな色でもクリアーに発色させることができるようになった、
ある意味、味のない色。
だから、ダークがいいという感覚がなくて、
クリアーなものばかりが出回ってますよね。

そんなものばかりで作ったネックレスと、
ダークな色のもので作ったネックレス・・・
身に着けて、どっちが似合うっていうと、
みんなダークなほうを選ぶんですよ。って、いうくらい、
日本人に馴染んでいる色合いなんですね。
それが、工業が発達しすぎて、なくなっちゃった。


武田
取り入れやすいとか、すぐに結果が出るとか、
スピードを求めすぎる風潮から、
どうしても、単純な色になってしまうんでしょうね。
ハスケルは、濁色なども使いながら・・・。


マリ先生
それは、ヴィンテージだからこそなんです。
クリアーな色を、ヨーロッパの人は好むから、
作りたかったけど、出来なかった。
ヴェネチアにオーダーしても、
どうしても濁りは避けられない。
それが、技術が発達したことによって、
綺麗な色ばかりが作られるようになった。

堺のほうの昔からビーズを作っていた工場を回ると、
濁りのある色のビーズは、
「俺なら作れる。若いものには作れない。」

ご年配の職人さんたちは言います。
「俺たちは、濁ったものを作るところから、
 ずっと続けているから。
 今のものは、みんなキレイになっちゃって、
 面白くないだろう?」と。
70代後半になっておられるので現役でいらっしゃる間に、
出来ればお願いして作ってもらいたいです。


武田
若い方には、「濁り」という良さが分からないんでしょうね。
「濁り」=「汚い」とか「くすんでいる」と捉えてしまっている。

本当は、濁色が日本の色彩文化なんですよ。
どちらがいい悪いではなく、例えば、中国は原色の文化。
中国人の方でも、中には原色が好きじゃない方もおられて、
そういう方は、日本にくると、本当にホッとされるそうです。
建物も何もかも、色合いが穏やかで。

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っと、かなり熱く語っておりますが(笑)
対談ではコスチュームジュエリーの配色や
ジュエリーから男性観まで話がひろがっていきました。
良かったら協会ブログでご笑読いただければ嬉しいです
一般社団法人日本コスチュームジュエリー協会ブログ


最後までお読みいただきありがとうございます。

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